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勝念寺の身代り蛙

地蔵堂の前や庭には石の蛙が置かれています。
当寺に祀られている「身代釜敷地蔵尊」は、地獄で釜茹でにされて苦しんでいる人の身代わりとなって、自ら煮えたぎる釜の中に入り、苦しむ人の苦を取り除き、安楽にそして、幸せへと導いて下さるお地蔵様です。「かましきさん」と呼ばれ江戸時代より信仰を集めています。 
身代り釜敷地蔵尊 みがわり→かわる→かえる の語呂合わせで置かれています。

蛙(かえる)は、古来から洋の東西に関わらず、親しまれて来た生き物です。特に日本では稲作の水田が多かったことから、身近な生き物として鳥獣戯画(平安時代末期)に見られるように古くから親しまれてきました。

また其の生態は、オタマジャクシの時はエラ呼吸して水中で生活し、その後、カエルに変身して、肺呼吸や皮膚呼吸して、手足を持って陸上で生活します。 

即ち生き方が、ある時から全く変わるのです。

また貝原益軒の『大和本草』には、カエルは他所の土地に移しても、また元の所に帰るという性質からカエルと名付けられたと書かれています。

誠にカエルは不思議な生き物です。それ故、神社やお寺で縁起ものとして祀られています。

身代りとは、他人の苦しみを自分が代わって受けて、相手の苦しみを和らげ除いてあげることです。 仏心とは大慈悲といい「抜苦与楽」とも訳され、他人の苦しみを抜き除いて楽にしてあげることです。 身代り釜敷地蔵尊こそそのような仏様です。

しかし苦しい時ただ単に仏様にお祈りするだけでよいのでしょうか。それではいけません。たとえば天神様は学問の神様ですが、勉強もしないで東京大学に合格しますようにとお祈りしても叶うでしょうか。お稲荷様は商売繁盛の神様ですが、働かないで商売繁盛が叶うでしょうか。医者にも掛からずに、病気が治るようにと神仏にお祈りしても叶うでしょうか。先ずは自分自身の努力が必要です。

身代り釜敷地蔵尊に苦しみを取り除いていただき楽を受けるには、自分自身が「かわる」事です。自分自身を「かえる」事です。

カエルの様に!

ものの考え方を変えましょう、ものの見方が変われば周りも変わります。生き方を変えましょう、そうすれば周りの人のあなたを見る目が変わります。世間が変わります。

かえる【帰る】行く  家に帰る  

生還⇒もどる【戻る】  

かえる【返る】(元へ) 金が返る 

正気に返る 戻る 

 

帰する ⇒もどる【戻る】  
かえる【孵る】(たまごが) 

 

雛(ひな)が孵る 孵化(ふか) 

かえる【変える】(状態) 形を変える

  改める〈方向を〉転じる 変更 改変 変革 改革 変換 

 

転換更改 ⇒あらためる【改める】

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