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元祖法然上人像

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当寺「元祖法然上人像」は勝念寺第十四世 諦誉義禅上人の師僧 京都二条専念寺第十七世 順阿隆円大和尚の弟子 専念寺第十八世 法誉隆常上人(諦誉義禅上人の兄弟子)より文政九年(1826)に勝念寺に贈られました。
 
師僧 隆円大和尚は江戸時代後期の学僧で、『近世念仏往生伝』『浄業信法訣』『吉水瀉瓶訣』その他多数の著書があり、また総本山知恩院の役職を九年勤められ、学徳兼備のお方でありました。

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そもそもこの像は、大阪谷町願生寺第八世超誉益雄上人の念持仏です。

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超誉益雄上人は、願生寺中興の大願をいだいて毎朝托鉢の後、朝食前に諸人を勧誡して茶漬談義と称しました。

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その徳化により万治年間(1658-1661)に壮麗な伽藍を建立して願生寺は大いに栄えました。

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この超誉益雄上人の弟が当寺住職の兄弟子 法誉隆常上人の曽祖父にあたり、超誉上人の形見としてこの像を譲り受け、曽祖父また祖父に与え祖父またその女の恵明法尼に授けて、法尼臨終末に法誉隆常上人に授けました。
 
そして法誉隆常上人は祖先遺愛の霊像を伏見勝念寺に奉納しました。

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それに先立ち、文政九年の専念寺と知恩院の手紙には再修補と書かれていますので、順阿隆円上人の斡旋によって「華頂山主大僧正」(知恩院六十五世迎誉貞厳大僧正)に御像の開眼をお願いし、「門主大王」(知恩院宮門跡六世尊超法親王)に御高覧頂き御回願給わりました。

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そして此の像の縁起と手紙を付して法誉隆常上人より勝念寺に授けられました。

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法誉隆常上人は元祖法然上人像を勝念寺に奉納するにあたり弟弟子諦誉義禅上人に「この像を崇信してこれを奉事恭敬し奉り永く寺門に安置して其利益広大無辺ならんことを願うのみ」と述べらています。

そして師僧 順阿隆円上人は

      吉水のかけをうつして末久に
      不二さてはよむ人をしそ思ふ
                        前専念 順阿


の和歌を添えられました。

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師僧 順阿隆円上人は当寺十四世諦誉義禅上人の勝念寺復興を援けまた助言をされて、当寺も多大な恩恵を給わりました。

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師僧だけでなく、兄弟子 隆常上人にも祖先遺愛の霊像を授けられるなど諦誉義禅上人はよほど可愛がられたお方だったのでしょう。

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ちなみにこの元祖大師像は百萬遍知恩寺の本尊元祖大師像の御顔、数珠を繰る手、衣の裾の形などよく似ています。

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百萬遍知恩寺の本尊元祖大師像を写したのではないかと思われます。

御像の裏に「為報恩奉修補」「元禄七年」と書かれています。元禄七年(1694)に補修したということは、元禄以前の御像かと思われます。

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