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苦抜き・釘抜き

「大慈与一切衆生楽

    大悲抜一切衆生苦」

大智度論

抜苦与楽(ばっくよらく)とは

仏や菩薩が衆生の苦しみを抜いて

福楽を与えることを言います

嘘をつけば閻魔様に舌を抜かれる。その舌を抜く時に使う道具が釘抜き(ヤットコ)です。 

生きていく上では嘘も方便で、嘘が必要な事も有るかもしれません。しかし所詮は嘘は真実ではなく矛盾を生み、苦しみを生みだします。その苦しみの元、即ち嘘をつく舌を閻魔様が抜くのは、我々から苦しみの元を抜いて楽を与えて下さるからです。

善因善果(善を行えば、善い結果が返る)悪因悪果(悪を行えば、悪い結果が返る)自因自果(自分の行いの報いは、自分に返る)の「因果の道理」は多くの仏菩薩や古来から名僧が説かれてきたことですが、なかなか信ずる人は少なく、平気で悪を重ね地獄へと落ちて行きます。

閻魔さまは、この事を深く嘆かれ「妻子王位財眷属 死去無一来相親 常随業鬼繁伝我 受苦叫喚無辺際」(妻子や王位、財産や従者たちも死んでしまったら一つとして附いて来るものは無い。どこまでも附いて来るのは、生前の罪業の鬼だけで、それが我が身を束縛して、際限もなく苦しみを受けさせ、叫び喚(わめ)かせる)の偈文を書き記し、我々に因果の道理を信じ、悪いことを行わないように教えられているのです。

勝念寺では、えんまさんが厄災(苦)を抜き、かましきさんが厄災(苦)を身代わりに受けて、我々に楽を与えて下さるのです。

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