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​閻魔像譲渡状

辻ヶ花の表装

開山貞安上人が弟子安誉貞保上人に閻魔像を譲り与えた書状があります。

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筆跡、花押から貞安上人の真筆と思われます。
この表装が傷んでいますが、桃山時代から江戸初期にかけて現れた絞り染めの「辻ヶ花」ではないかと思われます。

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椿の花や葉の虫食いの痕まで絞りやボカシで表現し、また松皮菱文などその図案が「辻ヶ花」の典型的な文様を表しています。

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写真で拡大すると、その複雑な技法が見えます。大変手の込んだものです。

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最初見た時は余りにもボロボロで表装し直そうかと思ったほどですが、文様が何か懐かしい捨てがたいものでした。

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さらに表装に当寺の寺紋五七桐も使われており、迂闊に変えることが出来ないと思いました。

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室町時代から江戸初期にかけて技法が急速に発達し、また急速に消えてしまった為「幻の辻が花」ともいわれます。
当寺のこの表装の布が本当に辻が花なのか、時代はいつごろのものか、信長公と関係があるのか、これが信長公の小袖なればと期待しているのですが。
専門家の方に見てもらって明らかになれば良いなと思います。

 

ただしこの「閻魔像譲渡状」は古く大変繊細なので色の退化や布の劣化を防ぐため実物をお見せすることは出来ません。御理解下さい。

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